ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉 | 没後100年 宮川香山 [美術展]

ガレの庭.jpg
2016年1月16日(土)~4月10日(日)
東京都庭園美術館(本館・新館)

宮川香山展.jpg
2016年2月24日(水)~4月17日(日)
サントリー美術館

エミール・ガレはアール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家、宮川香山は明治時代の陶工です。この春、二人の展覧会が東京庭園美術館とサントリー美術館でほぼ同時期に開催されました。ガラスと陶磁器という違いはあるけれども、器の表面に生き物や草花を装飾する造形に共通点があります。ガレは1846年生まれ、香山は1842年生まれのたった4つ違い。2人の作品にはお互いの影響があったのでしょうか、あったとしたらどちらがオリジナルなのでしょう。

私自身、ガレは知っていましたが、宮川香山のことは名前さえ知りませんでした。知名度ではガレが勝っているし、香山の方がガレの影響を受けたのかと思っていたら、実際はその逆でガレの方が香山が生み出した真葛焼にインスパイアされたらしいです。ジャポニズムって浮世絵だけかと思っていたら、こんなところにまで及んでいたのですね。

宮川香山の器に施された猫や蟹や植物の精緻なことったらありません。まるで動き出すんじゃないかと思うような写実性の高さ。アーティストというより職人芸です。一方、ガレの器は単なる装飾というよりも哲学的な世界観を表すものとして蛙や昆虫のモチーフを使っています。作品に詩文が付されているものも多く、職人というよりアーティスト。この2人のスタンスの違いって東洋と西洋の違いなのかしら。展覧会が重なったのは偶然なのでしょうが、面白く見比べることができました。しかし、香山の器もガレのガラスも、実用には向きませんね。


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