法隆寺西円堂の追儺会(鬼追い式) [寺・神社]

法隆寺西円堂で節分に行われる追儺会(鬼追い式)。その前の時間に行われる「薬師悔過」の法会から参加しました。お坊さんが声明を唱えて本尊の薬師如来さまを褒めたたえます。その声明は東大寺修二会と通じるものがありました。東大寺二月堂のご本尊は観音様なので「南無観(なむかん)」と繰り返しますが、西円堂のご本尊は薬師様なので「南無薬師(なむやー)」と繰り返します。残念なのは打ち鳴らす鈴の音。東大寺修二会の鈴の音はずっしりと神秘的で仏さまを召喚できるような幻想的な音色ですが、法隆寺の鈴はどこかまぬけで素っ頓狂…。そのせいか、法会の雰囲気もゆるりとしていました。

それでも目前に光背に千体仏を従えた2.5mもの大きな薬師如来坐像(国宝、奈良時代)がどーんといらっしゃり、それに対して「なむやー(あなたに帰依します)」と唱えるというのは祈りの実感と安心感があります。東大寺二月堂の観音様は絶対秘仏だから見ることができません。なんとも心もとないものなんだなぁと気付いてしまいました。逆に言えば、見えないものを信じるしかないからこそあんなに厳しく律してすべてを捧げないといけないのかもしれません。

法会が終わって追儺会の松明投げの時間になると地域の人が三々五々やってきます。子供たちがちっとも怖くない鬼に向かって「鬼さんこっち」と声を合わせて松明を要求しますが、なかなか松明が遠くに飛ばずに盛り上がりに欠けるのでした。東大寺のお松明と比べるとずいぶんのんびりしています。大きなお薬師様の鷹揚さがそうさせているのでしょう。



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