紀三井寺開創1250年 秘仏御本尊御開帳 よみがえり御開帳(和歌山県 紀三井寺) [仏像・仏画]

紀三井寺よみがえり御開帳.jpg
秘仏本尊・十一面観世音菩薩像 秘龕仏・千手観世音菩薩像 よみがえり御開帳
2021年4月8日(木)~5月29日(土)
紀三井寺

週末日帰り旅行で午前中に京都国立博物館の鑑真展に行くとして、午後もう1箇所をどこにするか、本来なら京博とセットで京都文化博物館の「承久の乱」展に行きたかったけれど、文博は早々に全期間の中止を決めていました。路線検索をするとかなりハードなスケジュールになりますが、和歌山の紀三井寺のご開帳に行けないこともない…。でも紀三井寺の秘仏は西国巡礼をしたときに拝する機会があったので、わざわざ行かなくてもいいか…。正直、当日まであまり気が進まなかったのですが、鑑真展を予想より早めに見終えたので重い腰をあげました。感染拡大で危機的状況の大阪を通過し(思ったより人出はありました)、京都から2時間かけて和歌山へ。
西国巡礼で紀三井寺に行ったのは2008年、花山法王の1000年御忌のご開帳でした。お堂のようすはなんとなく覚えていますが、仏さまのお姿はほとんど忘れていてまるで最初の出会いのようです。平安初期の仏像は男性的でたくましい。観音様の優しいイメージを覆す堂々とした体躯と近づき難いお顔。荒仏と伝えられるそうです。腰が重かったことを見透かされたような気がして、身が引き締まる思いがしました。
鑑真和上像や紀三井寺の秘仏と初めてお会いしたのは10年以上前。仏像は何百年も変わらずにそこにいらっしゃるけれど、忘れっぽい人間は短い人生の中で何度でも新鮮に出会えるのですね。そして年を取る楽しみってこんなところにあるのかもしれません。日帰り旅行で身体は疲れたけれど、行ってよかった。わざわざ出向いた甲斐がありました。

タグ:ご開帳 仏像
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凝然国師没後700年 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」(京都国立博物館) [美術展]

鑑真和上展.jpg
凝然国師没後700年 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」
2021年3月27日(火)~5月16日(日)
京都国立博物館

GWに緊急事態宣言のため閉館していた京都国立博物館。5月12日から制限が緩和され、再開することになりました。「鑑真和上と戒律のあゆみ」展の会期5月16日まではたったの5日間。急遽、週末日帰り旅行を計画しました。
鑑真和上に目が行ってしまう展覧会ですが、タイトルの頭書きは「凝然国師没後700年」。一体、凝然国師って誰でしょう(鎌倉後期の東大寺戒壇院や唐招提寺の長老を歴任した大学者なんだそう)。鑑真和上の知名度を借りた抱き合わせ商法みたいです。でも展覧会は凝然押しって感じでもなく、戒律に連なる祖師たちがまんべんなく紹介されていました。
やはり圧巻は「鑑真和上坐像」。本当に生身の和上がそこにいらっしゃるよう。2005年に東博でお会いして以来16年、私は年を取ったけれども、鑑真和上はずっと変わらずに生き続けていらっしゃって同じ時間を経てきたのだと感じました。
一方で凝然は肖像画がほとんどなく「せんとくん」の制作者の籔内佐斗司氏が制作した凝然国師像(唐招提寺)が出品されていました。なんだかせんとくん(籔内氏ご自身)に似ている…。本当にこんなビジュアルだったのかしら…。結構、チャレンジングというか(不敬ともいえる)取り組みです。
お顔はともかく、凝然は多くの著作を残しているので自筆の文書が複数展示されていました。これがすごいクセ字、一目で凝然筆とわかります。クセはあるけれどまるっこくてかわいい文字。なんとなく優しそうな性格だと思います。文字から昔の人の性格を妄想するのは楽しく、空海、最澄、蘭渓道隆などこれまでも想像を膨らませてきました(そのときの記事①そのときの記事②)。例えば、頂相(肖像画、肖像彫刻)と自筆文字を並べて正しい組み合わせを選ぶクイズ形式の展覧会なんて面白そう。そしてやっぱり凝然の文字から想像されるお顔って薮内氏の凝然像ではないんですよね…。

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