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夏の青春旅行 ①三島日帰り旅行 [寺・神社]

三島行きの主目的は佐野美術館の渡辺省亭展。せっかくなので前から行きたかった「かんなみ仏の里美術館」や三嶋大社も予定に組み込みます。調べてみると、三島は古代には伊豆国の国府があり、聖武天皇が各地に建立した国分寺も三島に置かれたそうです。三嶋大社は伊豆国一宮ですし、昔から神聖な場所だったのですね。その理由は富士山の眺望が良いからと簡単に考えていたのですが、行ってみて驚いたのは三島の街中を激流となって流れる富士山の伏流水。街中のいたるところに幾筋もの小川が流れています。それもかなりのスピードで「ちはやぶる(千早振る)」という表現がぴったり。これほど水にあふれた場所とは知りませんでした。

一遍上人ファンの私は三嶋大社といえば、絵巻「一遍聖絵」を真っ先に思い浮かべてしまいます。立派な鳥居や本殿が描かれていますが、印象的なのは一の鳥居と二の鳥居の間にある大きな神池。やはり三島といえば「水」なのです。絵巻の池には白鳥らしき白い水鳥が二羽、優雅に浮かんでいるのが印象に残っています。もちろん白鳥はいませんでしたが、神池は今もそのまま聖水をたたえていて、この場所に一遍上人も立ち寄られたのだと思うと感慨深かったです。(関連記事

三嶋大社 神池.jpg



三嶋大社から西へ1kmほど行くと伊豆国分寺があります。今は日蓮宗のお寺になっていますが、奈良時代の塔跡の基壇・礎石8個が本堂の裏に残されていました。墓地の中にある礎石はぎょっとするほど大きく、なんだか場違いで窮屈そう。国分寺跡は何か所か訪れましたが、どこも広々とした(そして今は何もない)眺めのいい場所にありました。こんな街中に国分寺跡があるのは珍しい。それは三島が水の都で交通の便もよく、古代の聖地がそのまま人の住む宿場町になり、現代まで栄え続けてきたからでしょう。

三島 国分寺.jpg



伊豆国分寺の近くには人気の鰻屋「桜家」さんがあります。当日に夕方の予約をとって、美味しい鰻をいただきました。ちょっとお高いけれど、今まで食べた鰻の中で一番です。仕入れた鰻を富士山からの地下水に流すんですって。そんなこと三島の鰻屋さんにしかできない。そりゃあ、美味しいはずです。お店の昔ながらの雰囲気とあいまって大満足でした。

桜家.jpg


お腹がいっぱいになったら、旅の締めくくりは温泉。バスで三島市の東端にある竹倉温泉みなくち荘に向かい、鉄分を含んだ赤茶色のお湯に浸かりました。三島の町を流れる無色透明な伏流水からは想像もつかないインパクトのあるお湯です。源泉は15度~18度の地下水で加熱して浴用としているそうです(単純鉄泉)。とてもレトロな温泉でした。帰りは終電、盛りだくさんの詰め込み三島旅行、疲れたけど大充実でした。

タグ:温泉 国分寺
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夏の青春旅行 [寺・神社]

この年になって青春もないだろうと思いながら、初めて「青春18きっぷ」を使ってみました。1日乗り放題を5回利用可能なので、三島への日帰り旅行、三重への1泊旅行、新潟への1泊旅行に行きました。体力と同じくらい時間の余裕も必要で、確かに18歳大学生だったらよかったのに…と思います。でもお尻を痛くしながら時間をかけてたどり着く先は有難味が違います。徒歩で旅していた昔の人に少しだけ近づけたような気もします。電車の中でぐっすり眠れるたちですし、じっとしているのは苦にならないので、なんとか無理がききました。そんな無茶な旅行ができるのも在宅勤務で体力に余裕があるから。さすがに毎日出勤していたら週末は休養に充てたいし、無理すれば翌週がつらくなっちゃいます。今は旅行が憚られる状況ですが、在宅勤務と週末旅行は相性がよいですね。さすがに青春18きっぷの旅はきついですが…

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法隆寺の地蔵会 [寺・神社]

旅行のプランをこの日にしたのは法隆寺の地蔵会に行きたかったから。地蔵会(地蔵盆)は旧暦7月24日に行われていた地蔵菩薩の縁日。関西では一般的な行事で8月24日の京都の地蔵盆は有名です。法隆寺では新暦7月24日に東院伝法堂におられる地蔵菩薩を本尊として夕刻に法要があります。

18時少し前に東院伽藍に伺うといつもは閉まっている伝法堂が開かれ、法要の始まる準備が整えられていました。伝法堂には地蔵菩薩像の他にも多数の仏像が安置されています。それほど知られていないお堂なのに奈良時代の素晴らしい仏さまがなんだか無造作と思えるほどに勢ぞろいでびっくりしました。お堂の向かって右側がぽっかり空いているのは東京国立博物館の法隆寺展に阿弥陀三尊像が出開帳されているから。東博でソロデビューしている三尊像とお会いするのが楽しみです。

18時になると10名ほどの僧侶の方々が入堂して法要が始まりました。それほど大きくないお堂ですので堂内の仏さまたちとの距離も近く、空間の密度がぐっと高まります。まだ明るく酷暑が残る中、僧侶の方々が汗をかきながらお経を読み上げます。こうやってお寺の行事に参加するのは久しぶり。美術館や博物館は「みる」だけに集中してしまいますが、全身を使って体感するってやっぱりいいなぁ。清々しい気持ちになれます。

法隆寺地蔵会.jpg

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初めてのお伊勢参り [寺・神社]

人が溢れていても伊勢神宮は清らかな空気に満ちていました。これまでも色々な神社にお参りしてきましたが、「神宮」はその規模も神聖さも別格です。1日半で内宮(皇大神宮)、外宮(豊受大神宮)、内宮の別宮(荒祭宮、風日祈宮)、外宮の別宮(多賀宮、⼟宮、風宮)、域外の別宮(月読宮、月夜見宮)、二見興玉神社、龍宮社、猿田彦神社と12社(!)を巡りました。中でも印象深かったのは月読宮と月夜見宮。鬱蒼とした森に囲まれた社は観光客も少なくひっそりとしています。内宮・外宮が「太陽」や「日」をイメージさせるのに対して、「月」「暗」がぴったりの雰囲気。夜、月を見ながらお参りしたいなぁ…きっと神様に会えるような気がします。多賀宮はめずらしく坂を少し登った高台にあり、鳥居がありません。なにか秘密がありそうです。

そして、他の神社ではあり得ないのが社殿の隣にぽっかりと空いている更地。古殿地(こでんち)というのだそうです。言わずと知れた前回の遷宮まで御殿が立っていた場所、そして次の遷宮で御殿が立つ場所。知識では知っていましたが、実際に見ると伊勢神宮の神秘を感じます。それに内宮・外宮だけでなく別宮にもすべて古殿地があるなんて…驚きです。式年遷宮がどれほど大掛かりなものか窺い知ることができました。

今回は行けなかった別宮(瀧原宮、伊雑宮、倭姫宮)、御塩殿神社、太江寺、朝熊岳金剛證寺にもいつか行ってみたい。なにより今の古殿地に立つ新しい社殿を見てみたい!次の遷宮は令和15年(2033年)、12年後です。参拝できたらいいなぁ。

外宮古殿地.jpg
外宮 古殿地


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2021年ゴールデンウィーク [寺・神社]

ゴールデンウィークは関西の展覧会巡りをすることがルーティンになっていますが、今年は緊急事態宣言で行きたかった展覧会が休止になってしまいました(京都国立博物館「鑑真展」、京都文化博物館「承久の乱展」)。がっかりしながらもこれまで展覧会を優先してなかなか行くことができなかったお伊勢参りに予定変更。奈良博の「法隆寺展」を見てから伊勢入りしました。私と同じように緊急事態宣言から逃れてきた観光客が多かったようで、伊勢神宮はびっくりするほど賑わっていました。おかげ横丁なんて清水寺の参道みたいな人混みです。新緑の気持ちよい季節に出かけたいのは自然な行動ですよね。どうか神様が許してくれますように…。

二見興玉神社.jpg
二見興玉神社 お伊勢参りは二見から

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年の初めに日向薬師へ [寺・神社]

日向薬師本堂.JPG

年の初めに日向薬師(神奈川県伊勢原市)のご開帳に行きました。ご本尊は平安時代前期に作られた鉈彫り(なたぼり)の薬師三尊像。秘仏なので年に3回(正月3カ日、1月8日、4月15日)のご開帳です。金沢文庫の展覧会でお会いして、いつかはお寺に行きたいと思っていました(そのときの記事)。小田急伊勢原駅からバスで20分、景色はすっかりのどかな山里です。源頼朝や北条政子も鎌倉から参詣したと伝えられますが、馬や籠に乗ってきたのかしら…。明治の廃仏毀釈までは日向山霊山寺と称し、大寺院だったそう。近くには大友皇子のお墓と伝えられる場所もあります。

日向薬師参道.JPG

バス停近くの山門から本堂まではうっそうとした森の中を15分ほど登ります。ご本尊の薬師三尊像は宝物館にいらっしゃり、その他に阿弥陀如来や四天王、十二神将など20体以上の仏像が収められています。左右にお祭りされている鎌倉期の阿弥陀如来坐像と薬師如来坐像は2メートル以上の大作。ここが修験の中心だったことを想像させました。ただ、残念なことにお会いしたかったご本尊の薬師三尊像には近寄れる状況ではありませんでした。というのも、宝物館の中には椅子がずらりと並べられ、ご住職が参拝客に着席をうながしながら説法を続けています。会場は満席、説法は全く終わる気配がありません。ご本尊はほとんど注目もされず、拝まれることもなく、宝物館の上座にひっそりと納まっていらっしゃいました…。ご開帳というよりご住職の説法会といった様相です。

モヤモヤした気持ちでお寺を後にし、帰りは七沢温泉方面に山を下りました。日帰り入浴で温泉につかり、「ZUND-BAR」の行列に並んでAFURIのラーメンを食べて帰路につきました。

AFURI.JPG


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松尾芭蕉のゆかりの義仲寺 [寺・神社]

2日目は松尾芭蕉のゆかりの義仲寺へ。前日に観光マップをみていて、宿の大津駅からほど近いことがわかり、お散歩かたがた歩いて行きました。小さい敷地ながら見どころは多く、居心地の良いお寺です。木曽義仲と松尾芭蕉のお墓が並んでいて、その墓石は「芭蕉翁絵詞伝」の「義仲寺の図」(江戸時代)そのまま変わっていません。一方、たびたびの火災や洪水で何度も壊滅の危機に瀕して、そのたびに再建になっています。援助に力を貸したのは大きな寺院ではなく、個人の篤志家だそう。芭蕉もその一人といっていいかもしれません。プライベートな思いがつながって、ここまで続いてきた義仲寺です。


芭蕉翁絵詞伝 義仲寺.jpg
芭蕉翁絵詞伝 義仲寺の図


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延暦寺釈迦堂内陣特別拝観秘仏ご開帳 [寺・神社]

延暦寺 西塔釈迦堂 ご開帳.jpg
延暦寺釈迦堂内陣特別拝観秘仏ご開帳
平成29年10月1日(日)~12月10日(日)

紅葉の季節、三十三年ぶりの延暦寺西塔釈迦堂秘仏本尊のご開帳へ。延暦寺には滋賀県側の坂本ケーブルで入りました。日本一長いケーブルカーですごい急坂を11分間登ります。昔の人はこの坂道を歩いて上り下りしたのだから、覚悟のほどが違います。

延暦寺は最澄さんと同じであか抜けないけれど実直な感じがいいです。もったいぶったりしません。今回のご開帳も釈迦堂の内陣まで入ることができました。入堂の前には僧侶から香水を頭に降り注がれます。内陣は外陣よりも低い土間になっていて洞窟の中に入っていくよう。外陣とははっきりと区別された空間で空気が違います。中には4つの祠があって、神仏習合のかたちがそのまま残っています。ご本尊の釈迦如来立像がいらっしゃる須弥壇は外陣と同じ高さになっています。外陣とご本尊との高さが同じで、内陣だけが低くなっている仏堂は天台宗特有の構造だそう。外陣からは一段低い土間越しにご本尊を拝することになります。ご開帳のお釈迦様は小柄でおだやかなお姿。おそばによりたいなぁと思わせますが、目の高さは同じでも深い溝があって近づけない…。もどかしいです。見上げる仏さまとはまた違った心持ちになります。これが誰でも仏になれる(=同じ高さにある)けれども煩悩があって思い通りにはならない(=深い溝がある)という天台宗の教えを表しているのだそうです。実際に内陣に入ってみて、確かにそこが外陣とは違う神聖な場所だと実感できました。

帰りは少しでも比叡山の「山」を体感したくて、歩いて下山しました。うっそうとした木々に囲まれた急な坂道が続きます。もう日も暮れかけていて、誰もいない山道を降りるのは心細かった…。下山できて心底ほっとしました。一日の無事を感謝して日吉神社にお参りし、旅の1日目は終わりです。

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日帰り宇都宮旅行 [寺・神社]

日帰りで宇都宮へ。初訪です。栃木県立博物館の「中世宇都宮氏」展を見に行きました。駅前でレンタサイクルを借りて(100円)、まずは市内観光。

清巌寺(せいがんじ)
駅からほど近い浄土宗の寺院。宇都宮家8代城主の貞綱が1312年に亡母の十三回忌の供養に建立させた鉄塔婆(重要文化財)があります。本来は屋外にあったのでしょうが、今は出入り自由の収蔵庫に高さ3m以上もある鉄塔婆がぽつんと収まっています。境内にはだれもおらず、収蔵庫の開け閉めや電気もセルフサービスです。

清巌寺 鉄塔婆.jpg


二荒山神社(ふたらやまじんじゃ)
こちらはお宮参りの参拝客でにぎわっていました。ここには重要美術品に指定された鉄製の狛犬と兜があります。調べてみると、栃木の鋳物は平安時代からの古い歴史があって、藤原秀郷が河内の国から5人の鋳物師を佐野に移り住まわせて武具を制作させたのがその始まりだそう。現代でも天明鋳物(てんみょういもの)として続いているそうです。

一向寺(いっこうじ)
一向寺の阿弥陀如来坐像も木造ではなく、本体は銅造、蓮華座は鉄製の鋳造です(室町時代、重要文化財)。仏さまの衣には文字がびっしりと刻まれていて、宇都宮家12代城主の満綱が願主となって、約350人が血縁して造立したことがわかるそうです。一見、普通の阿弥陀様にみえますが、350人もの戒名が書かれた体躯はなかなかヘビー。ここも収蔵庫が開いていて、出入り自由でした。

一向寺 阿弥陀如来坐像.jpg


今回、巡った3社寺すべてに鉄や銅製の文化財が伝わっていました、栃木といえば大谷石で有名なので石の文化なのかと思っていましたが、大谷石の採掘が本格的に始められたのは江戸時代の中頃だそう。「鋳物」の歴史の方がずっと長いのですね。

タグ:仏像
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かくれ里の火祭り「広河原の松上げ」(京都) [寺・神社]

松上げ3.jpg
広河原の松上げ(京都市左京区広河原)
2017年8月24日

京都の山間でお盆の時期に行われる火祭り「松上げ」。白洲正子氏の「かくれ里」で読んで以来、いつか行ってみたいと思っていました。京都市北部のいくつかの土地で伝承されているそうですが、どこもかくれ里だけあって路線バスでの日帰りはできません。今回は京都バスの鑑賞ツアーで広河原という場所の松上げに行きました。

京都市中心部からバスで2時間ほど、街灯もない山道でバス一台がやっと通れるような狭い道が続きます。いくつかの峠を越えると、川沿いの平地にでました。真っ暗だから、どんな場所なのかさっぱり分かりませんが、バスを降りて会場へ。

四方を山に囲まれた狭い空には満天の星が瞬いて、別天地に来たような気分です。天の川は見えているのに、目の前にあると思われる川は暗くてわからず、河原には「地松」と呼ばれる背丈ほどの燈籠台が何百本、いや千本以上も立てられています。すべての松明に火をつけ終わるのに30分ほどもかかったのではないでしょうか。いよいよ「松上げ」が始まります。運動会の玉入れのように、籠の部分に松明をくるくると回しながら投げ入れ、いくつかの玉が命中すると籠中の薪が大きな炎を上げて燃えだします。思わず拍手。なんだか一体感。大きく燃えた籠は最後には地面に倒され、男衆が力を合わせて川の中へ。残り火がしんみりとした気持ちにさせます。火祭りっぽく荒々しいところもありますが、幽玄さの方が勝る、いかにも京都の火祭りでした。

それにしても広河原という里山はどんなところなのでしょう。街灯もない夜のことでしたので、まったく様子が知られません。うねうねとした山道を帰りながら、本当に存在する場所なのか確証が持てないまま、23時過ぎに京都洛中に戻ってきました。


松上げ2.jpg


松上げ4.jpg

すごくフォトジェニックなお祭りなので、カメラマンがたくさんいました。
私もたくさん写真をとりましたが、テクニックがないとなかなか上手く撮れませんね。



かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

  • 作者: 白洲 正子
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 1991/04/03
  • メディア: 文庫



タグ:神事
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