かくれ里の火祭り「広河原の松上げ」(京都) [寺・神社]

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広河原の松上げ(京都市左京区広河原)
2017年8月24日

京都の山間でお盆の時期に行われる火祭り「松上げ」。白洲正子氏の「かくれ里」で読んで以来、いつか行ってみたいと思っていました。京都市北部のいくつかの土地で伝承されているそうですが、どこもかくれ里だけあって路線バスでの日帰りはできません。今回は京都バスの鑑賞ツアーで広河原という場所の松上げに行きました。

京都市中心部からバスで2時間ほど、街灯もない山道でバス一台がやっと通れるような狭い道が続きます。いくつかの峠を越えると、川沿いの平地にでました。真っ暗だから、どんな場所なのかさっぱり分かりませんが、バスを降りて会場へ。

四方を山に囲まれた狭い空には満天の星が瞬いて、別天地に来たような気分です。天の川は見えているのに、目の前にあると思われる川は暗くてわからず、河原には「地松」と呼ばれる背丈ほどの燈籠台が何百本、いや千本以上も立てられています。すべての松明に火をつけ終わるのに30分ほどもかかったのではないでしょうか。いよいよ「松上げ」が始まります。運動会の玉入れのように、籠の部分に松明をくるくると回しながら投げ入れ、いくつかの玉が命中すると籠中の薪が大きな炎を上げて燃えだします。思わず拍手。なんだか一体感。大きく燃えた籠は最後には地面に倒され、男衆が力を合わせて川の中へ。残り火がしんみりとした気持ちにさせます。火祭りっぽく荒々しいところもありますが、幽玄さの方が勝る、いかにも京都の火祭りでした。

それにしても広河原という里山はどんなところなのでしょう。街灯もない夜のことでしたので、まったく様子が知られません。うねうねとした山道を帰りながら、本当に存在する場所なのか確証が持てないまま、23時過ぎに京都洛中に戻ってきました。


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すごくフォトジェニックなお祭りなので、カメラマンがたくさんいました。
私もたくさん写真をとりましたが、テクニックがないとなかなか上手く撮れませんね。



かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

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  • 作者: 白洲 正子
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 1991/04/03
  • メディア: 文庫



タグ:神事
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