天下を治めた絵師 狩野元信(サントリー美術館) [美術展]

狩野元信展.jpg
六本木開館10周年記念展 天下を治めた絵師 狩野元信
2017年9月16日(土)~11月5日(日)
サントリー美術館

二代目って徳川将軍家にしても、二代目社長や二世タレントにしても、あまりぱっとしないイメージです。狩野派も同じで二代目が元信であることも、その元信の代表作も思い浮かびませんでした。今回の展覧会ちらしのメインビジュアルに京都国立博物館の「禅ー心をかたちにー」展でお気に入りに登録した大仙院方丈障壁画の「四季花鳥図」が使われていて(そのときの記事)、“あー、あの襖絵を描いたのが二代目元信だったのね”と認識しました。

「四季花鳥図」(京都・大仙院)は俯瞰してみると堂々として荘厳なんだけど、近寄ってフォーカスすると鳥のかわいさがたまりません。大寺院の障壁画なのにほのぼのしちゃう。ちゃんと鳥の視線が行き交っていて、見つめ合ったりさえずり合ったり、まるで女子高生みたいに楽しそうです。「花鳥図屏風」(栃木県立博物館)の鳥も水浴びをしたり、花の蜜を食べていたり、うとうとと寝ていたり、いろんなポージングで癒されました。同じ鳥でも決して視線を交わさない他人行儀の伊藤若冲の鳥とは真逆。性格が絵にもでているんでしょうね。私の中の元信は好奇心旺盛でチームワークを大事にするコミュニケーション上手な二代目のイメージとなりました。

意外なところでは、一昨年、山梨県立博物館でお気に入りに登録した「富士曼荼羅図」(静岡・富士山本宮浅間大社)(そのときの記事)。“これも元信だったのか~”と嬉しい再会でした(実際は「元信印」なので真筆かは分からない)。名前を意識していなかったから気づけなかっただけで、実はかなりの元信好きなのかも。展示解説によると、元信は狩野派の漢画に土佐派のやまと絵を取り込んだそうですが、私が好きな元信は新しく取り入れたやまと絵の部分らしいです。漢画がオリジナルの山水図や仏画にはまったく反応しませんでした。ともあれ、二代目元信、しっかりと頭に刻み込みます。


狩野元信展 鳥1.jpg

狩野元信展 鳥2.jpg
「四季花鳥図」(京都・大仙院)


富士参詣曼荼羅.jpg
「富士曼荼羅図」(静岡・富士山本宮浅間大社)


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