ラファエロ展 [美術展]

ラファエロ.JPG
2013年3月2日(土)~6月2日(日)
国立西洋美術館

ラファエロ2.JPG
展覧会場でまず迎えてくれるのが、まだ青年の面影を残した自画像。“ラファエロくん”とでも呼びかけたくなるような優しい雰囲気です。ちょっと気が弱く、繊細そうで、画家というよりも、詩人のような容貌。女子にモテたのというのもうなずけます。画風も自画像のイメージがそのまま作品となったような、優しくて穏やかでいかにも日本人好み。その画風が最大限活かされるが聖母子像で、今回の展覧会では「大公の聖母」が出品されています。黒い背景が聖母子を浮かび上がらせ、神聖さを引き立たせているなぁ、と思いながら鑑賞していましたが、説明版によると、これは後世に黒く塗られたらしい…。ちょっとショック。

でも、ラファエロの真骨頂は聖母子像よりも肖像画の方にあるのかもしれません。そこには媚も悪意もないために、その人の本質をそのままにとらえ、昇華させます。展覧会の「無口な女」をみて、そんな風に考えました。今回は出品されていませんが、ナショナル・ギャラリー所蔵の「ユリウス2世の肖像」なんてローマ教皇なのにヨボヨボ。でも、ラファエロだから許されているのでしょう。自己主張が強いのが当たり前の画家の中で、とても稀有な存在です。

部屋にこもってひとりたたずんでいそうなイメージなのに、工房をきりもりしてバリバリ仕事をしていたというのは、ちょっと意外。教皇に気に入られて、注文をたくさん受けても断りきれずに、寿命を縮めてしまったのかしら。37歳という若さで死去。佳人薄命です。

ラファエロ3.JPG
ユリウス2世の肖像

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