山岳信仰-日本文化の根底を探る(中公新書)鈴木正崇 [本]


山岳信仰 - 日本文化の根底を探る (中公新書)

山岳信仰 - 日本文化の根底を探る (中公新書)

  • 作者: 鈴木 正崇
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/03/24
  • メディア: 新書

なんとなく近寄りがたい山岳信仰。修験者のほら貝に象徴されるようにちょっとエキセントリックで、見てはいけないもののような気がします。一方で今、流行りのパワースポットは、山岳信仰の場と重なります。この本で取り上げられる山も、出羽三山、大峯山、富士山、立山などなど、まさに現代のパワースポット。今も昔も人を引き付ける山々の魅力ってなんなのでしょう。
そんな興味から手に取ってみたら、内容は予想外に硬くて、パワースポットブームにあやかろうなどという意図は全くありません。専門的な難しい部分が多く、楽しみながら読むという訳にはいきませんでした。でも、なんとなくおどろおどろしくて近寄りがたかった修験道や神がかりのことも研究対象として冷静に解説してくれていて、山岳信仰の実態を知ることができました。


印象に残った言葉

しかし、修験にとっては文字の知識に頼るよりも、重要なことは実践や体験であり、峰入り修行をできるだけ数多く積み重ねることが根本であった。自然の多次元的世界に没入する繊細な感性を持った人びとには教義は方便にすぎない。その意味で文字は無用であり、文書による過去の復元は限界がある。その本質に迫るには、かつての修行者が行法を重ねたであろう場所をひたすら歩き、自らが現場に立って追体験するしかない。社寺や祠のような建造物よりも、建っている場所自体が重要であった。そこには「場所の力」がある。─ 289ページ
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