墨と金 狩野派の絵画(根津美術館) [美術展]

墨と金.JPG
墨と金 狩野派の絵画
2018年1月10日(水)~2月12日(月・祝)
根津美術館

根津美術館が所蔵する狩野派絵画の展覧会。コレクション展だから超有名な作品はないけれど、だからこそ日常使いの筆さばきで絵師の個性があらわれている気がします。

目がとまったのはやっぱりお気に入りの狩野派絵師ツートップ、狩野尚信と狩野山雪。この2人は対照的な画風ですが、今まで同時に2人の作品をみたことはないと思います(関連記事)。狩野尚信の「山水花鳥図屏風」は余白が多くて何が書いてあるのかよく分からない。ほとんど抽象画。一方、狩野山雪の「藤原惺窩閑居図」は1つ1つのモチーフをこれでもかってほど明確に描き込んでいます。尚信の絵には直線はなく、山雪は定規で引いたみたいな正確さで直線を描いています。同じ狩野派を名乗っていいのか?と思うほど個性全開な尚信と山雪。ますます好きになりました。

今回のNo1はなんといっても狩野山雪の「梟鶏図」。山雪の絵は偏執的な描写にこちらの気持ちまで不安定にさせられるのが常なのに、この「梟鶏図」はめずらしくほのぼの系です。とぼけた梟と意地悪そうな鶏が向き合っておしゃべりしているみたい。それもかなりブラックな相談事です。悪だくみを考える鶏に入れ知恵する梟といったところでしょうか。絵本になりそうな1枚です。

梟鶏図.jpg


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