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師走の奈良旅行 俊乗房重源上人坐像 [仏像・仏画]

俊乗堂.jpg

12月16日は東大寺で国宝の秘仏開扉が3つあります。今年、念願かなって拝観することができました。まずはいつもなら素通りしてしまう「鐘楼の岡」へ。大仏殿から二月堂に登る途中の広場に巨大な大鐘(国宝)があり、その鐘楼脇の「俊乗堂」に俊乗房重源上人坐像(国宝)がいらっしゃいます。

この重源上人さまは鎌倉時代に東大寺の復興のため全国を勧進されたお坊さん。現代になっても生前と同じように各地を巡回されていて、これまで博物館や美術館で何度かお会いしたことがありました(そのときの記事(1)(2))。お堂ではお厨子に入って少し高い位置にいらっしゃり、正面から見上げるかたちで拝することになります。スポットライトに全身をさらされた展覧会のお姿とは違って、とても落ち着いて威厳が感じられました。全国を巡回されている重源上人を思えばこそ、お厨子の重源上人に対して畏敬の思いがわいてきます。

また、重源上人と交友のあった仏師 快慶作の阿弥陀如来立像が重源上人坐像の向かって右側に安置されていました。すっかり快慶の魅力にやられてしまっている私はこの阿弥陀さまにも完全ノックアウト、麻薬物質でも発しているんじゃないかと思うほど、なすすべもなく惹きつけられてしまいました。ここで出会えるとは思っていなかったし、不意を突かれていい意味でダメージ(喜び)が大きかったです。

タグ:国宝
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晴川院養信による模写事業 [仏像・仏画]


国宝「一遍聖絵」には江戸時代後期に狩野晴川院養信(おさのぶ)の弟子たちが写した模本があることを知りました。本物は絹、模本は紙に描かれているので、見た目も全然違うし、もちろん本物の方がダントツに良いのですが、模本は模本なりに見ごたえがあります。そして、この狩野養信という人は木挽町狩野派9代目で、模写事業に熱心だったそう。東京国立博物館には絵巻150巻、名画500点以上の模写が残されているんですって。さらに、弟子には日本画家の狩野芳崖と橋本雅邦がいるというのだから、すごくいい仕事してますね!

東京国立博物館所蔵 木挽町狩野家関連 寺社宝物模本データベース

模本リストには至宝がいっぱい。いつか模本の展覧会なんてやってほしいな。


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国宝善水寺~秘仏本尊薬師瑠璃光如来~御開帳(滋賀県) [仏像・仏画]

善水寺.jpg
2015年4月19日(日)〜2015年6月14日(日)
岩根山善水寺(滋賀県湖南市)

関西旅行の最終日。さすがに疲れ気味でしたが、湖南三山のひとつ、善水寺へ。秘仏の本尊薬師如来坐像がご開帳中です。三上山を眺めながら(いつか登ってみたい)、JR草津線の甲西駅へ。ご開帳期間中は駅前からお寺の目の前まで臨時のシャトルバスがでていました。

本堂の内陣にはご開帳中の薬師如来を中心に、梵天、帝釈天、十二神将、四天王が勢ぞろい。鎌倉時代の十二神将以外は平安時代の同時期に造像されたそうです。近江の天台寺院のお寺は織田信長の比叡山焼き討ちで多くが失われてしまいましたが、この善水寺は焼き討ちを逃れた貴重な寺院。自ら災いを逃れたご利益のあるご本尊なのですね。本堂も南北朝時代の国宝です。

御開帳中でも混み合うこともなく、お天気もよく、山のお寺の清々しい空気を吸い込み、ぶらぶらとお庭を散歩しながら、ゆったりとした時間を過ごしました。

タグ:国宝
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慈尊院 弥勒仏坐像 御開帳(和歌山県) [仏像・仏画]

関西旅行3日目は開創1200年記念大法会が行われている高野山の麓へ。壇上伽藍は観光客であふれかえっているようですが、私は山上には行かず、混み合う南海高野線を九度山駅で降りました。目的は慈尊院のご本尊「弥勒仏坐像」(国宝)の10年ぶりの特別開帳。昭和になって発見された平安前期の仏像で、写真で見ると堂々とした体躯に色彩が残る神秘的なお像。仏像ファンの間では今年のトップ3に入る御開帳といっていいでしょう。

でも、九度山駅で電車を降りたのはほんの数名。駅前に案内板もポスターもなく、山上の賑わいが嘘のよう。慈尊院までの2km弱、徒歩で25分ほどの道中、参拝者らしき人には会わず、境内も特別開帳中だとは思えない静けさ。おかげでゆっくりとお参りすることができました。

慈尊院.jpg


楽しみにしていた弥勒仏坐像とのご対面は、ネットでみた写真の姿を確認する、という作業になってしまいました。秘仏なのに初めて見る気がしないし、写真の方がずっとフォトジェニック。実物にお会いしたという感動は薄かった…。その代わり、この後の高野山町石道ハイキングが強く印象に残っています。

タグ:国宝
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京都東山青龍殿落慶記念 国宝青不動御開帳 [仏像・仏画]

青不動.JPG
2014年10月8日(水)~12月23日(火)
将軍塚青龍殿(青蓮院門跡飛地境内)

神護寺を後にして、バスを乗り継ぎ、新たに落慶した東山山頂の青龍殿の夜間拝観へ。青蓮院の前からシャトルバスで向かいます。この青龍殿、北野天満宮前に建っていた道場を移築したものだそう。明るい照明の広々とした堂内の奥に国宝仏画「青不動明王」がご開帳となっています。ちょっと距離があるので、単眼鏡でじっくりと見仏。片目ずつ上下を向いた目や火焔がおどろおどろしく、薄暗い堂内に一人だったらリアルに恐怖を感じそう。その分、御利益のありそうな青不動です。青龍殿の大舞台からみる京都の夜景も素晴らしく、見仏には最高の環境でした。

青龍殿.jpg

タグ:国宝
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神護寺 五大虚空蔵菩薩像御開帳 [仏像・仏画]

神護寺.jpg
2014年10月11日(土)~13日(月)
神護寺

大徳寺を後にして、バスを乗り継ぎ、高雄の神護寺へ。国宝「五大虚空蔵菩薩坐像」のご開帳です。まずは金堂の薬師如来立像を参拝。神護寺の薬師如来といえば土門拳の写真が思い浮かび、近寄りがたい怖ろしいイメージですが、実際は堂々とした体躯に安心感を持ちました。図太い腕と腰と太もも、本当に健康そうな体型です。

そして、金堂の裏の高台にある多宝塔へ。虚空蔵5体が一列に並んでいて圧巻です。艶かしいけど、かわいらしい、ファニーフェースの仏像たち。ほおっ、と見とれてしまいました。彩色はほとんど残っていませんが、向かって右から、緑(宝光)、赤(蓮華)、白(法界)、黒(業用)、黄(金剛)に塗られていたそうですから、さぞかしカラフルで明るい空間だったことでしょう。水野敬三郎氏は「奈良・京都の古寺めぐり」(岩波ジュニア新書)の中で、神護寺の五大虚空蔵と表現が似ている仏像として、大阪観心寺の如意輪観音や広隆寺の阿弥陀如来、安祥寺の五智如来をあげています。ふむふむ。わたしは、東寺講堂の諸像よりこちらの系統の仏像が好きみたい。交通の便は悪いけれど、また、絶対来よう!と思います。

神護寺 虚空蔵.JPG
蓮華虚空蔵菩薩坐像



その後、京都国立博物館の「鳥獣戯画展」の予習に高山寺へ。高山寺には明恵上人が座右に置いて愛玩した遺愛の犬と伝えられるかわいい木彫りの子犬(伝快慶作)がありますが、その犬にどこか似ている黒いラブラドールレトリバーのわんこがいました。

タグ:国宝
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慈恩寺秘仏展御開帳 [仏像・仏画]

慈恩寺御開帳.JPG
平成26年6月1日(日)~7月21日(月)
山形県寒河江市 慈恩宗本山慈恩寺

仙台で室生寺展を観た後、仙山線で北山形へ。そこからJR左沢線で寒河江へ。寒河江からタクシーで慈恩寺へ。慈恩寺開山1300年、寒河江市制施行60周年記念、御本尊の弥勒菩薩坐像(重要文化財)が平成4年以来のご開帳です。写真をみるとなかなか個性的でかっこいい仏像。慈恩寺には去年5月、立石寺(山寺)の薬師如来坐像ご開帳のときにもあわせて巡ったので、2年連続のお参りとなりました。

慈恩寺は天平時代の開基と伝わる古い歴史を持つ寺院。明治の廃仏毀釈までは東北随一の巨刹として栄え、平安末期から鎌倉中期の仏像群が残されています。御本尊の弥勒菩薩坐像は鎌倉後期の作。都から遠く離れた地ですが、田舎臭くなく、男性的な面長のお顔と切れ長の目の洗練された造形。目や眉、髭の黒色、唇の赤色の彩色が良く残っていて、まるで実在の人物のよう。また会いたくなる弥勒様です。その他にも優しげな文殊菩薩騎獅像や普賢菩薩騎象像など、大寺だったころをしのばせる仏像が残されています。ご開帳を地域の人が取り仕切っているのも好ましく、一方、仏像のライトアップの仕方などはプロの仕事で仏像を魅力的に見せてくれていました。

弥勒菩薩だけに、拝観の機会は限られます。前のご開帳から12年、次のご開帳が何年後になるかわからないけれど、またかっこいい弥勒様に会えるといいな。


タグ:仏像
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びわこ湖東三山 秘仏本尊ご開帳 [仏像・仏画]

湖東三山.JPG
2014年4月4日~2014年6月1日
湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)

名神高速道路に湖東三山スマートインターチェンジ(ETC専用インターチェンジ)が開設した記念に、湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済寺)の秘仏本尊がご開帳されました。交通が不便のため、個人で1日に3ヵ寺を巡るのは難しく、今回は定期観光バスを予約。今回の一斉開帳は8年ぶりとのことで、平日だというのにほぼ満席、お一人様も多く参加されていました。

お寺の拝観はガイドさんに付いていくのに大忙しで、どこがどのお寺だったのか、どの観音様がどのお寺のご本尊だったのか、ほとんど覚えていません。やはり苦労して自分の足で巡らないといけません。でも、ガイドさんの話はなかなか楽しく、役に立ちました。

この機会に京都に1泊して、京都の美術館を巡ります。

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