鳥獣戯画ー京都 高山寺の至宝ー [美術展]

鳥獣戯画展.jpg
2015年4月28日(火)~2015年6月7日(日)
東京国立博物館

金曜日の夜間開館へ。展示室には待ち時間なしで入れましたが、鳥獣戯画甲巻の行列が3時間。覚悟はしていたけれど、実際3時間も並ぶと、足腰も痛くなって、お腹もすいて、頭もぼうっとして、もうどうでもよくなってきます。博物館を出たのが11時過ぎ、ほとんど終電で家に帰りついて深夜1時。そこまでするか…。写真撮影OKの明治時代の模本(本館特別室に展示)で事足りたような気がしてなりません。

とこんな風に思えるのも、甲巻なしでも十分満足できる内容だったから。華厳宗祖師絵伝(国宝)は全場面の一挙公開、長い壁一面を使っての展示です。おかげでストーリーに入り込むことができました。特に印象に残っているのは、元暁と義湘がお別れする場面。名残惜しそうな2人に思わず感情移入。登場人物の近くに「~しているところ」なんて漫画の吹き出し風に書いてあるのも面白い。

あと、とてもよかったのが、栂尾開帳のコーナー。高山寺には春日明神と住吉明神が祀られていて、毎年ご開帳が行われていたそうです。その両脇に置かれる獅子と狛犬(湛慶作?)が胸キュンのかわいさ。照明も凝っていて、玉眼がきらりと光る神鹿なんて本当に生きて鳴いているよう。それはそれは美しい牡鹿でした。この神鹿や馬の彫像も栂尾開帳で祀られていたものだそう。ふむふむ、そうだったのか。生き物を愛でる心持ちに鳥獣戯画と通じるものが感じられます。

とういことで、鳥獣戯画を差し引いても大充実、大満足の展覧会でした。もちろん、去年に京都国立博物館の鳥獣戯画展を見たばかりだから、そうも言えるのですが。でも、同じテーマの展覧会なのにその内容は東京と京都で全く違いました。やはり東博の展示構成は抜け出ています。


猫とネズミ.jpg
鳥獣戯画(模本)ねことねずみ

タグ:国宝
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0