古典夜話:けり子とかも子の対談集(新潮文庫)円地文子、白洲正子 [本]


古典夜話: けり子とかも子の対談集 (新潮文庫)

古典夜話: けり子とかも子の対談集 (新潮文庫)

  • 作者: 円地 文子 白洲 正子
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2013/11/28
  • メディア: 文庫

いくつになっても女友達との会話はいいですね。白洲正子氏の対談本はいくつか読んでいるけれど、男性相手の固い理詰めの対話とは違って、気ままで楽しいおしゃべりが新鮮でした。光源氏や西行や世阿弥に対してもファン目線。「好き」という言葉が頻出して、根底では高校生がアイドルの話をするのと通じています。古典に造詣が深いお二人だけに、話題があっちへふらふらこっちへふらふらと「好き」が連鎖するのも心地よい。私も女の特権の「好き」を大事にしようっと。


印象に残った言葉

円地:固執するということはほんとうは恐いことだと思いますね…なんによらず。その道を歩き出したら、どうしてもそこから出られなくなってしまうのね。欲が出るでしょうし、執着も出てきますしね…そうすると、広い目をもつということができなくなってしまう…─ 48ページ

白洲:私、世阿弥の言葉のなかで、ずばり能の本質をついているといつも思う言葉を憶い出すんですけど、それは文章のことでも通じることですけど…自分は動いてはいけない、というんです。自分は後ろにいてあやつっていて、つまり自分の分身が、前でいろいろなことを演っている。そのあやつり糸が離れて、いっしょになると駄目だというようなことをいっているんです。─ 151ページ


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