日本史の森をゆく-史料が語るとっておきの42話(中公新書)東京大学史料編纂所 [本]
日本史の森をゆく - 史料が語るとっておきの42話 (中公新書)
- 作者: 東京大学史料編纂所
- 出版社: 中央公論新社
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: 新書
東京大学史料編纂研究所の研究員42名がそれぞれの専門分野の逸話を綴ったアンソロジー。同じ趣向で書かれた奈良文化財研究所の「奈良の寺-世界遺産を歩く(岩波新書)」が面白かったので、手に取ってみました。「見る」文化財に対して、史料は「読む」もの。研究の題材としては、文化財と比べるとどうしても地味な印象があります。それでも親しみやすい話題で史料に対するイメージも少し変わりました。事情のはっきりしない日記や手紙を読み解いたり、裁判の記録から当時の世相がわかったり、なかなかスリリング。源頼朝が岩窟信仰を持っていたことや、足利義教が恐怖政治を行っていたなんて知らなかったなぁ。
この本を読んで、高校時代、日本史には興味があったのにもかかわらず「史料集」を読むのがひどく苦痛で、結局、日本史の点数がちっとも上がらなかったことを思い出しました。大人になって日本美術を好きになって、そこから日本史を学び直し中。大嫌いだった史料もこうやってよい先生に巡り合えれば、興味深く読めるのですね。
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