「うらめしや~、冥途のみやげ」展(東京藝術大学大学美術館) [美術展]

うらめしや.jpg
2015年7月22日(水)~9月13日(日)
東京藝術大学大学美術館

最後に展示されていた上村松園の「焔」がものすごい迫力でした。ちらしでは見ていたけれど、想像以上の大きさで、その大画面から妖気が発せられています。自分の背丈ほどもある髪を噛んで振り返る女性はマイナスの感情に完全に支配されていながら、その美しさを失っていない…。この女性の正体は源氏物語に登場する六条御息所の生霊。高貴で教養もユーモアもある完璧な女性が、一度堕ちると取り返しがつかないことになってしまう。その様がこれほどまでに描き出されていることに畏敬の念を覚え、なにか描かれることによって六条御息所も成仏できたのではとさえ思えました。

そしてこれを描いた上村松園先生。一体、どんな人物だったのかと調べてみると、未婚の母になったり、年下の男性と苦しい恋をしたり、これまた驚くような波乱万丈の生涯を送っているんですね。やっぱり、そうじゃなくちゃ描けないよなぁ…。

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