美江寺 十一面観音立像 ご開帳(岐阜県岐阜市) [仏像・仏画]

4月18日は観音さまのご開帳の特異日です。今年はちょうど日曜日。浜松市美術館の展覧会「みほとけのキセキ」展にあわせて岐阜まで足を延ばし、美江寺の十一面観音立像のご開帳に行きました。岐阜駅からレンタサイクル(1日300円)で15分ほど、美江寺は岐阜の街中にあります。

こんな世情ですからご開帳も感染防止対策が徹底されていました。蜜を避けるため内陣にはひとりしか入れません。順番を待つための椅子も距離がとられ、おしゃべり禁止。おかげで仏さまと1対1でじっくり向き合うことができました。

美江寺の十一面観音さまはお前立でさえ平安時代の秀作で、初めはお前立がご本尊かと勘違いしてしまったほどです。その後ろに控えるのがご開帳の奈良時代の十一面観音立像(重要文化財)。近畿地方以外には珍しい脱活乾漆造だそうです。眠たげな眼と「への字」に曲がった口、決して美しくはないけれども幼げな魅力があります。これまであまり見たことのないお顔立ち。胸飾りや髪飾りは繊細で美しく、遠く都からいらっしゃったことが知られます。どんな願いが込められているのでしょう。

そして美江寺は1945年7月の岐阜空襲により伽藍を焼失しているのだそうです。ご本尊は当時の住職が戦火の中、背負って助け出されたとのこと。脱活乾漆像は軽いから持ち運びができたのだと思います。「みほとけのキセキ」展では浜松空襲で失われてしまった平安仏の写真展示がありました(そのときの記事)。同じ運命をたどっていたかもしれない美江寺の観音さまはまさに岐阜の「キセキ」です。


美江寺 十一面観音像.jpg
右:お前立の十一面観音立像(平安時代)ご本尊が後ろにちらり
左:ご本尊の十一面観音立像(奈良時代)


タグ:ご開帳 仏像
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