国宝 醍醐寺のすべて -密教のほとけと聖教- [美術展]

醍醐寺のすべて.jpg
平成26年7月19日(土)~9月15日(月・祝)
奈良国立博物館 東新館・西新館

去年に引き続き、奈良国立博物館の夏季講座に参加しました。今年のテーマは「醍醐寺と南都の密教」。講座でそれこそ「醍醐寺のすべて」を勉強し、いざ、展覧会へ。醍醐寺は真言密教のお寺ですが、東寺や高野山と比べると知名度で劣ります。これは、東寺や高野山が「教相」(教義理論)を修学するお寺だったのに対し、醍醐寺は「事相」(密教の実践)を行うお寺だったから、とのこと。実際、権力者である貴族や武士の信仰を集めたのは事相のお寺である醍醐寺や仁和寺でした。

そして、醍醐寺の開創は東大寺の東南院を再興した理源大師聖宝(しょうほう)。南都との縁も深く、今回、醍醐寺聖教(しょうぎょう)が国宝指定になったことを受け、奈良博での展覧会が実現したとのこと。ということで、展覧会をみるにあたっては「聖教」(お経やお寺の記録類)にも目を配るようにしましたが、やはりどうしても仏像、仏画に目がいってしまいました・・・。

中でも一番、目を奪われたのは、三宝院の本尊弥勒菩薩坐像(快慶作)。快慶の執拗な完璧主義、美に対する妥協のなさが怖いほど。目の前にいると、ちょっと変な気持ちになってくる。仏像なのに色気を感じてしまう。完全な妄想ですが、快慶って生涯独身だったらしいし、同性愛者なのではないかしら。こんな人間を越えた美を造形する人が普通の女性で満足できるはずがありません。快慶作の不動明王坐像も出展されていましたが、不動なのに美しすぎ。天才仏師といえば運慶というイメージがありましたが、方向性が違うだけで、快慶も同じぐらいいっちゃってる天才です。2人の関係ってどんなだったのでしょう。小説にでもなりそうな設定です。

その他、五大明王像もそろって山から下りていらっしゃいました。西国巡礼で訪れた上醍醐は険しい山道を1時間以上登った山頂にあり、三十三ヶ寺中、一番の難所でした。その上醍醐の五大堂にいらっしゃる五大明王。いったい、どうやって山から降りられたのでしょうか?夏季講座ではそういう裏話的な話も聞きたかったなぁ。牛大好きな私にとって、大威徳明王は特別な存在。こんなに近くで見られるのはこれが最後かもしれないと思い、じっくりと牛の尻尾やお耳を観察しました。

奈良博の展覧会は毎回その本気度が伝わってきて、お腹いっぱいの充実感。だからはるばる奈良まで足を運んでしまいます。

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