神奈川の秘仏開帳巡り ②龍峰寺(海老名市) [寺・神社]

海老名には相模国の国分寺・国分尼寺があったそうです。海老名がそんな古い歴史を持つとは知りませんでした。白洲正子が「国分寺のあるところは、どこでも眺めのいい場所」(西国巡礼)と記しているとおり、海老名の国分寺跡地も西に大山を遠望するとても気持ちのいい場所でした。

龍峰寺は国分寺跡から歩いて15分ほど、清水寺公園内にあります。清水寺(せいすいじ)は国分尼寺境内にあった湧河寺がその前身だそう。その名前から京都の清水寺と同じように水が湧き出る場所だったのでしょう。明治の廃仏毀釈でなくなってしまいますが観音堂は残され、龍峰寺に組み込まれました。その観音堂に祀られているのがその名のとおり「清水寺式千手観音」。脇手の一組を頭上に組んで化仏を戴くお姿で、像高が2m近くもある立派なお像です(毎年3月17日とお正月に開帳)。法被を着た地域の方々がご開帳を取り仕切られていて、観音堂で立ち合いされているおじさんが「どこから来たの?」「写真もいいよ~」なんて気軽に声をかけてくれました。そして、おそらく昔と変わらない大山の雄姿がここ龍峰寺からも望まれました。

新羽の西方寺にしても、海老名の龍峰寺にしても、通勤圏の住宅街にこんな古い歴史を持つお寺や仏像が残されているなんて、関西の仏像めぐりでは味わうことのない新たな気づきでした。日常のなかにひょっこりと顔をのぞかせるいにしえの気配。帰りの小田急線に揺られながら、とても穏やかな気持ちになりました。


海老名 国分寺跡.jpg
相模国国分寺跡から望む大山


タグ:開帳 秘仏
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