草間彌生 わが永遠の魂(国立新美術館) [美術展]

草間彌生 わが永遠の魂.jpg
国立新美術館開館10周年 草間彌生 わが永遠の魂
2017年2月22日(水)~5月22日(月)
国立新美術館

狂気的な画家は苦手。ゴッホやムンクの展覧会で気持ち悪くなった既往歴もあり、今回も良くない兆候があったらすぐに退室する心積もりで用心深く足を進めました。正直、恐いもの見たさ半分です。でも結局、気分が悪くなるようなことはなく、なんだか心地よささえ感じる始末。ちょっと意外な展開でした。

最初の展示室に入ると、大きな空間の壁一面に所狭しとカラフルな水玉やペイズリー様の抽象画が100点以上。展覧会のタイトルにもなっている草間彌生の最新シリーズ「わが永遠の魂」です。一瞬、ううっ、と息が詰まって、さっさと次の展示室へ。

ここからは最初の大部屋を取り囲むように初期の作品からテーマごとの小部屋が左回りに配置されていて、最後、大部屋に戻ってくるようになっていました。小さな展示室に「ネットペインティング」や「黄樹」など同じシリーズの作品が並んでいると、なぜか居心地が良い。パワーのある草間作品は見せ方によって印象も大きく違いそう。部屋ごとにテーマが整然と整えられていて、よく練られた展示構成です。

好きだった作品は「生命の輝きに満ちて」というインスタレーション。全面鏡ばりの暗闇の中、無限に広がる空間に豆電球が赤、青、黄、緑と色を変えながら点滅をくり返します。仕掛けはごくシンプルなんだけど、草間作品の特徴である「繰り返し」のモチーフをまさに体感できる空間です。

最後、再び大部屋に戻ってきたときは、アレルギー反応なく無事に鑑賞が完遂できたことにほっとしながら、「わが永遠の魂」シリーズをちゃっかりと写真に収めるまでになっていました。強迫観念から生まれた作品なのにマイナス面に陥ることなく、その観念を肯定的に謳歌している様が気持ち悪くならずにすんだ要因のようです。


わが永遠の魂.jpg



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