あこがれの明清絵画(静嘉堂文庫美術館)、典雅と奇想(泉屋博古館分館) [美術展]

あこがれの明清絵画.jpg
あこがれの明清(みんしん)絵画~日本が愛した中国絵画の名品たち~
2017年10月28日(土)~12月17日(日)
静嘉堂文庫美術館

典雅と奇想.jpg
典雅と奇想-明末清初の中国名画展
2017年11月3日(金・祝)~12月10日(日)
泉屋博古館分館

午前中に静嘉堂文庫の「あこがれの明清絵画」を見てから、その足で泉屋博古館分館の「典雅と奇想-明末清初の中国名画展」へ。まるで知見のなかった中国明清絵画ですが、1日で飛躍的に眼を開かせられました。

静嘉堂文庫では谷文晁や円山応挙といった江戸時代の一流の絵師たちがこぞって中国絵画を模写していることを知りました。私のあこがれの応挙先生があこがれていたと知れば、なじみのなかった明清絵画もぐっと身近に感じられます。さらに、同じ山水画でも日本のものとは全く受ける印象が違うことに驚きました。日本の山水図はのほほんとして退屈で好きではないのですが、明清の山水図はねじ曲がったような不思議な空間構成で少し病的でさえあります。危うい感じが私の好きな狩野山雪を彷彿させたりもするのです。

泉屋博古館分館ではそんな奇想の画家たちが現れた歴史的な背景を知ることができました。つまり不安定な明末から異民族の清へと大きく社会が変動する時代、それまでの典雅な山水表現に背を向けた異端の画家たちが現れたのだそう。当時は等閑視されていたけれども、近年になってその評価が高まっているとのことです。展覧会のコピーにも「先の見えない時代を生きた。時代の先の絵を描いた。」とあります。なるほど、確かに時代が大きく変わるときには美術もエキセントリックになります。逆にいうと、泰平の江戸中期の山水画が退屈なのはやむを得ないことなのかも。「形」は模写できても、「心」までは映せません。

気になる作品がたくさんあって、期待していなかっただけに、忘れがたい展覧会になりそうです。次の記事に名前を憶えておきたい画家のリストをあげておきます。


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