坂本龍一 IS YOUR TIME|谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro [美術展]

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坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME
2017年12月9日(土)~3月11日(日)
NTTインターコミュニケーション・センター

谷川俊太郎展.JPG
谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro
2018年1月13日(土)~3月25日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー

絵画の美術展めぐりにマンネリを感じて、少し毛色の違う坂本龍一氏と谷川俊太郎氏の展覧会に行ってみました。音楽や文学をどう見せるのか、どう感じるのか、まったく予想がつきません。

IS YOUR TIMEは坂本龍一氏と高谷史郎氏によるインスタレーション作品。真っ暗闇の部屋に入って好きな場所に座りこみ、両側に並べられたモニター映像を見ながら、スピーカーから流れてくる音楽に身を委ねます。その映像と音楽は予定不調和なもので、おどろおどろしく、恐怖をあおるよう。部屋の奥には東日本大震災の津波で被災したピアノが置かれていて、たまにピアノの音階が鳴らされます。坂本氏ならいくらでも心地よいメロディーを作れるのでしょうが、それでは表現できないことがあるのでしょう。震災直後の不安ややり切れなさを思い出しましたが、それがリアルな感情として湧きあがってくることはなく、忘れやすい自分自身を戒められる気がしました。

谷川俊太郎展は谷川氏ゆかりの品々からご本人の人となりが紹介されています。私自身はそもそも「詩」があまり好きではないのですが、谷川氏の詩だけは例外。教科書や新聞で目にする言葉に深く感銘を受けてきました。その理由が谷川氏の詩は自意識ではなく自己肯定から生まれてきたものだから、とわかったような気がします。

バカボンとコラボした詩
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音楽や文学はストレートに感情に迫ってきますね。美術はいったん解釈が入ってから、感情のスイッチが入るのに対し、音楽や文学はスイッチなしという感じがします。最近、私自身は小説を読んだり、音楽を聴いたりしなくなっていて、感情を大きくゆさぶられることが少なくなっています。さらに美術はどうしても過去(歴史)に目が行きがち。それって今を生きることから目を背けている面があるのかもしれないな、と考えさせられる機会になりました。


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