国宝仏頭 東金堂特別安置(興福寺東金堂) [仏像・仏画]
国宝仏頭 東金堂特別安置
2017年1月7日(土)~12月
興福寺東金堂
国宝館が耐震工事で休館中のため、阿修羅像が仮講堂に場所を移されて特別公開中でした。ご本尊の阿弥陀如来像を囲んで八部衆像、十大弟子像、金剛力士像などと一緒にお堂の須弥壇の上にいらっしゃいます。ここでは阿修羅像も脇役。でもこれが本来の姿です。いつもよりちょっと遠いですが、お堂の出入口からは自然光と風が入ってきて気持ちいい。いつもと違う状況をうまく利用して、お寺にも参拝者にも嬉しい企画です。
仮講堂の阿修羅像に比べると注目度が低いですが、隣の東金堂でも銅造仏頭が特別安置されていました。日光月光菩薩とは600年ぶりの再会です。この仏頭が飛鳥山田寺から運ばれてきたことは知っていましたが、東金堂の日光・月光菩薩立像も山田寺のものだったんですね。
ここで新たな発見。今回、改めてよくよく眺めてみると、この日光・月光菩薩立像が薬師寺のものにとてもよく似ていらっしゃることに気が付きました。隣にいたご夫婦も「薬師寺の日光月光にそっくり」と話していらして、思わず「そうですね!」と声を掛けそうになりました。
薬師寺の日光・月光菩薩立像といえば、その制作年代を巡って「白鳳説」と「天平説」で議論が続いているのですが(関連記事)、一方でここ興福寺のものは白鳳期の造像。もちろんその完成度は薬師寺が勝りますが、白鳳期にこれだけの鋳造技術があるのなら、薬師寺の日光月光も白鳳仏でいいんじゃないかなぁ…と愚考しました。
興福寺国宝特別公開2017 阿修羅ー天平乾漆群像展ー
2017年3月15日(水)~6月18日(日) 9月15日(金)~11月19日(日)
興福寺仮講堂
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