みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展-(浜松市美術館) [美術展]

みほとけのキセキ.jpg
みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展-
2021年3月25日(木)~4月25日(日)
浜松市美術館

プロローグは太平洋戦争の空襲で失われてしまった平安時代の仏像3躯の写真展示。軍需関連施設が数多くあった浜松は多数回の空襲を受けたそうです。竜禅寺の千手観音立像は写真からも霊性が伝わってきて本来ならこんな展覧会の主役になられたはず。そう考えると、ここに集まっていらっしゃる仏像ひとつひとつが「キセキ」だと思えます。

竜禅寺の千手観音に替わってメインにいらっしゃるのが摩訶耶寺の千手観音立像。ほっそりとした優しいお姿で同じ平安中期の千手観音。竜禅寺のお像とはかなり印象が違います。豊橋市の普門寺からは10躯もの仏像がお出ましで圧倒的な存在感。静岡県と愛知県の県境にある普門寺はかつては興隆を誇ったそうで、仏像もどれも素晴らしい造形です。普門寺の仏像は2017年に豊橋市立美術博物館の企画展でも展示がありました(そのときの記事)。普門寺も大きな火災に遭ったにもかかわらず、多くの仏像が残されていて、これも「キセキ」です。一度はお寺にお参りに行ってみたい。方広寺の院派の釈迦三尊像はもともと茨城県の清音寺(南禅寺派)の仏殿に祀られていましたが、明治後期に浜松にいらっしゃった「キセキ」を持つそうです。

千手観音立像.jpg
左:空襲で焼失してしまった竜禅寺の千手観音立像
右:摩訶耶寺の千手観音立像


普門寺四天王像.jpg
普門寺 四天王像


方広寺釈迦三尊像.jpg
方広寺 釈迦三尊像


タグ:仏像
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート