シャガール 三次元の世界(東京ステーションギャラリー) [美術展]

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シャガール 三次元の世界
2017年9月16日(土)~12月3日(日)
東京ステーションギャラリー

まだ若かりし20代の頃、私が最初に好きになった画家がシャガールです。それ以来、何度もシャガールの展覧会に足を運んできました。でもそこに展示されていたのは油絵か版画ばかり。立体作品を作っていたなんて全く知りませんでした。

シャガールの魅力はかわいらしさと不気味さがないまぜになった不思議な世界に遊ばせてくれること。もちろんそれは自由に描かれた絵画の方がダントツです。でも立体作品もやはりまがいもないシャガール世界。花束、山羊、ロバ、牛、鶏など、絵画に頻出するモチーフがそのまま壷やレリーフになっていて、シャガール好きにはたまりません。特に二次元では表現できない丸みやくぼみにはうっとり。ロバの壷のふっくらとした立ち姿はまるで女性の体のラインですし、男女が絡み合う大理石の彫刻からは幸せオーラが立ち上っています。「愛の画家」と呼ばれるシャガール、健全なエロティシズムを絵画以上に感じました。

シャガールの知らなかった一面を取り上げて見せてくれた展覧会。東京ステーションギャラリーはいつも新しい世界を垣間見せてくれる美術館です。今夏の「不染鉄」展でも素晴らしい日本人画家を知ることができました(そのときの記事)。2013年の「大野麥風」展も忘れられません(そのときの記事)。ここに来ると私の美術フィールドが確実にぐっと広がります。


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