没後60年記念 川合玉堂-四季・人々・自然- [美術展]

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没後60年記念 川合玉堂-四季・人々・自然-
2017年10月28日(土)〜12月24日(日)
山種美術館

2017年最後しめくくりの展覧会は川合玉堂展。田植え、鵜飼、水車、山に沈む夕日、なんてことないからこそ今では失われてしまい、もう玉堂の絵の中に見るしかなくなってしまった日本の自然豊かで穏やかな原風景。玉堂の絵を通して、古き良き日本を旅しているような気になりました。「いい日旅立ち」のメロディーが聞こえてくるよう。でもその風景自体がなくなってしまったら、玉堂の絵に郷愁さえ感じられなくなってしまうのかしら…。作品自体を伝えていくことの大切さを思うことはあっても、描かれている風景を守っていくことに危機感を覚えることはありません。これこそ玉堂の絵ならではの効力です。(関連記事


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光彩の巧み(五島美術館)、フランス宮廷の磁器 セーヴル(サントリー美術館)  [美術展]

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光彩の巧み-瑠璃・玻璃・七宝
2017年10月21日(土)〜2017年12月3日(日)
五島美術館

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フランス宮廷の磁器 セーヴル 創造の300年
2017年11月22日(水)~2018年1月28日(日)
サントリー美術館

中国の皇帝が愛した七宝、ヨーロッパの王侯貴族が愛したセーヴル磁器、どちらも色彩豊かで手が込んでいて精緻。でも、なぜかうっとりしません。豪華な器類に気が向かない性向はどうしようもないみたい。絵画や彫刻と違って実用品だから、現実に所有することを想像してしまい、“使いづらそうだから要らないなぁ”などと思ってしまうのです。神様ではなく自分自身のための豪華さになんだか自慢されているような感じがするのもよくないです。

その点、私の大好きな鍋島焼(関連記事)は手は込んでいても器形はシンプルだし、大きさは規格化されているし、セットで作られるし、日常使いに適していますね。鍋島藩から将軍家への献上品だから、自分の自慢じゃないのも良し。器類の私の鑑賞ポイントは「豪華さ」よりも「使いやすさ」と分かりました。

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